レム睡眠で説明する怪奇現象

ここではある意味、心霊現象や怪奇現象を科学的に否定してしまう内容になっちゃいますが

基本姿勢はやはり、肯定も否定もしない。ああ、こんな見方もあるんだって感じですので

肯定派・否定派の皆さんも息抜きの雑学として読んでください(^^)

まず皆さんは<夢魔>という言葉をご存知でしょうか?

中世のヨーロッパでは、睡眠中の男性や女性と性交を結ぶ悪魔<夢魔>の存在が信じられていました。

<夢魔>は眠っている人の夢の中に入り込み、リアルな性夢を執拗に繰り広げます。

執拗と言うのが肝心で、たまにならまだしも、リアルな性夢を毎日体験させられたら...そりゃヘトヘトですね(^^)

さて、現代では精神医学で<夢魔>も夢遊病患者の症状のひとつとされています。

しかし、精神的な疾患を抱えていない人でも、<夢魔>に出会う可能性は大いにあるというのも事実なんですね。

それがいわゆるレム睡眠のいたずらとされているものです。

睡眠状態は、レム(REM=Rapld Eye Movement:急激な眼球運動)期とノン・レム期に分けられます。

レム期とは、頭の中だけは起きているのに、体だけはぐっすりと熟睡している状態で、夢はこの状態の時に良く見ます。

また、このレム状態は、筋肉の緊張は緩んでいるにも関わらず、心臓の鼓動が高まったり呼吸が乱れたりと言う

自律神経が興奮した状態になっているようです。

肉体に現れる性的興奮は、自律神経の変化のひとつであることから、明け方近くに見るリアルな性夢は

レム睡眠のいたずらと現在は考えられているようです。

要するに、レム期の自律神経の興奮が性的興奮に結びついたなら、誰でも<夢魔>に遭遇する可能性があるという事です。

さて、<金縛り><幽体離脱>の体験も、実際はレム睡眠のいたずらであることが多いのはご存知でしょう。

通常の睡眠では、一旦深い眠りに入った後、レム期がやってきます。

そして、ノン・レム期とレム期を何度か繰り返し、朝方、比較的長いレム期が訪れて目覚めるのが普通です。

しかし、朝起きて、夜になったら眠るという人間本来の生活パターンを失った人達

体内時計のリズムが狂い、これに肉体的な疲労が重なった場合、眠りについた途端、レム睡眠に入ってしまいます。

この時に入眠時幻覚と呼ばれる、リアルな幻覚を体験する場合があります。

これが<金縛り>状態の科学的説明です。

ここで<金縛り>と<幽体離脱>を体験した女性の話しを参考までに紹介します。

「明け方四時頃、仕事を終えて布団に入った途端、キーンという耳鳴りとザ−ッというラジオの雑音のような音が聞こえて

体の自由が全然利かなくなりました。何とか体の一部だけでも動かせないかと神経を集中しているうち、

ふと金縛りが解けたので、右肘をついて体を起こしました。

でも、肘から手の平にかけて畳の感触がはっきり感じられるのに、私の右手は手の平を上に向けて布団の上に置かれていて

それを私は斜め上から見ているんです。

体から抜け出してしまった事に気づいて慌てて戻りましたが、その後は熟睡してしまい覚えていません」

この彼女の場合、耳鳴りなどの自律神経の変化に加え、覚醒している脳が幻覚を生み、さらに視覚や触覚さえ

リアルに再現された結果だと言えるようです。

このように超常的と言われていた数々の現象の多くは科学的に説明されてしまいます。

しかし、どのケースにもあてはまならない出来事は...

一体、誰が納得のいく説明をしてくれるんでしょうね。

 

実録心霊スポット取材記 かいたん

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