幻の超大作です！

「幻のフィルムが発掘！」と大々的！？なプロモーションをして劇場公開し、その驚異的な人気によって
あのアルバトロスもいよいよ倒産か？
とまで言わしめた、世界の映画史上の最高傑作！！！

なんたって劇場公開時の宣伝からして凄い！
「超豪華！　声の出演者、夢の競演！」

ですよ！！！
もうこれだけで失神、心臓麻痺確実。
まさに傑作、「 ＱＵＥＥＮ　ＫＯＮＧ」！

・・・
となるはずだったようですが、もう宣伝文句で気づいてしまった人が多数で
「映画の見所ではなく声の出演者？？　なんかおかしい！！！」、「これは詐欺かも知れないぞ！」と・・・・
まぁ、普通はね、そうなりますよね・・・
で、勿論、宣伝に嘘偽り無く公開は吹き替え版のみといった潔さ。
主役の吹き替えを担当したのは今は亡き広川太一郎御大。
故広川御大と言えばアドリブ飛ばしまくりの吹き替えが有名で、この作品でも
自キャラが口を閉じてようが、画面内にいようがいまいが喋り捲りです・・・
勿論、「俺んちのオレンジが台無しよ」と言ったオヤジギャグまで満載です・・・

そしてもう一人の主役となる女性の吹き替えは小原乃梨子さんです。
ドラえもんののび太やヤッターマンのドロンジョの吹き替えをしていたんですが
女性という事もあってか？　なんだか見ているとこれはヤッターマンか？　と勘違いしてしまうシーンも多々・・・

確かに吹き替えは豪華と言えば豪華なんですが
そもそも「ＱＵＥＥＮ　ＫＯＮＧ」の出来が・・・・
タイトルからもわかるとおりに「ＫＩＮＧ　ＫＯＮＧ」のパクリ映画なわけですが
なんとも表現し辛い内容になっているのが困ったところです^^;
内容は「ＫＩＮＧ　ＫＯＮＧ」のフォーマットをそのまま流用しているので省略しますが
何しろ特撮・・・と言えるのかわかりませんが、その部分が強烈です。
ぬいぐるみ丸わかりの「ＱＵＥＥＮ　ＫＯＮＧ」を始めとして、お約束の恐竜対決シーンの恐竜が・・・
なんだかどう見ても紙で作ったようにしか見えない・・・
と言うか、紙製なのが・・・

とまぁ終始こんな感じで物語は進み大団円を迎えるわけです。

で、どうしてこの「ＱＵＥＥＮ　ＫＯＮＧ」が幻と言われたのか？

一説では、「キング・コング」の再映画化権を持つラウレンティスの逆鱗に触れ
「こんな映画は闇から闇に葬り去ってやるっ！」とも言われてますが
まぁ、真実かどうかはまったくわかりません・・・

ともあれアルバトロスにしては珍しく大枚を叩いてのプロモーションをしたわけですが
こんな調子なので劇場公開は大コケ。
故広川御大や小原さんが舞台挨拶に出た初日ですら観客はまばらという
とんでもない結果に陥り、会社存続の危機にまで発展！！
※舞台挨拶のシーンは初回と第二回ともにＤＶＤに収録されています。
　舞台挨拶の特典の方が本編より面白いじゃないか！　このヤロー！
と言った苦情はなしということで・・・

このように問題だらけの作品だったわけです。そしてこれにダメ押しをしたのが
お金に目が眩んだ人たちです！！

↓が「ＱＵＥＥ　ＫＯＮＧ」大絶賛の人たち

「お嬢さん必見です！　ウイットに富んだ面白さが新鮮！　最後は純粋なクイーン･コングに心打たれました」……みのもんた（司会者）
・・・本当に映画を見たのか？　と、問い詰めたい・・・

「クイーン･コング強すぎます！　映像、衣装、メイクがレトロで可愛かったです。ファッションの参考にしたいな。おしゃれな女の子必見です」……乙葉（タレント）
本当に可愛いのか？　本当に強いのか？　参考？　おしゃれ？　映画見てないだろ！　と、問い詰めたい・・・

「今の時代に発掘されたクイーン・コング。今だからこそ最高に面白い」…オダギリ・ジョー（俳優）
本当に発掘されて嬉しいのか？　本当に最高なのか？　と、問い詰めたい・・・

「映画が終わっても、しばらく立てなかった。うんこもらしてたから」…漫☆画太郎（マンガ家）
お金の匂いがまったくしない推薦文・・・素晴らしい・・・

まぁ、この手の推薦文は大体が「本当に作品を見たんだろうか？」ばかりなので
どうでもいいって言えばいいわけなんですが、もし本当に見ていたのなら「大丈夫？」と
問い詰めたい・・・

なんだかんだと言いましたが、この作品、Ｂ級映画好きなら一回は観とけって事でしょうか？
自分の記憶では、過去に一度深夜に地上波で放送してましたけど、今は多分・・・やらないでしょうし^^;
勿論、観る時は字幕版ではなく吹替えでどうぞ^^

ちなみに「ＱＵＥＥＮ　ＫＯＮＧ」の攻撃でＨＰ１の瀕死に陥ったアルバトロスですが
何をどう間違えて買い付けてきたのか？　とある作品の大ヒットにより瀕死から無敵状態になりましたとさ。
なにって？　それは「アメリ」・・・
あれがアルバトロス配給だったとは・・・・・

まさに人生は七転び八起きですね。

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